リビングの摩天楼と、三日目の勇気
三年前、私は死の淵を歩いた。
あの時、三途の川の向こう岸が見えたからだろうか。私の「明日」という概念は、音を立てて崩れた。代わりに居座ったのは、この一瞬をどう愛でるかという、ひりつくような情熱である。
だから、リビングにそびえ立つあのでかくて高い塔を前にしても、私は微塵も後悔していない。
YouTubeのショートです
サイズ感、感じてもらえたら嬉しい。
大きいけど、ほんとうに買って良かったと思う。

「明日」を捨てて、中今の扉を開く

娘が置いていった猫、ノア。
彼は実に見事な「規則正しさ」を持って我が家にやってきた。決まった時間のご飯、決まった時間の排泄、そして決まった時間の微睡み。最初は部屋の隅っこで、まるでFXのチャートが凪いでいる時のように静かに息を潜めていた。けれど、空腹に耐えかねて「ニャー」と鳴いた時、私は胸が熱くなった。ああ、この子も一生懸命に生きている。命を守るとは、こういう声を拾い上げることなのだ。
スーパーの揚げ物と、一ヶ月の逡巡

私はキャットタワーを買うまでに1か月もの時間をかけてしまった
購入した決め手はもう一人の私がこう呟いたからだ。
「死んだら、買えないぞ」
それにしても、時間がかかりすぎた。ノアごめんね
スーパーのデリカコーナーで一人、揚げ物の色味を直感で決めてきた私だが、こればかりは「損切り」のできない大きな買い物だった。値段を見てはため息をつき、大きさを想像しては首を振る。けれどある日、縄文の扉が内側から開くような感覚に襲われた。
「死んだら、買えないじゃない」
その一瞬、マウスを握る指先がFXの注文ボタンを叩くように動いた。迷いは、最高のスパイスになる前の余計なアクに過ぎなかった。
動かぬ息子、そして三日目の震える足

とうとう届いたキャットタワーは、もはや家具というよりは建築物だった。 組み立てる夫の横で、二十一歳の息子は石像のように動かない。手伝いもしなければ、文句も言わず、表情も変えない。鉄面皮なその横顔を見て、私は逆に興味が湧いてくる。この静寂の裏で、彼は何を想い感じているのか。
さて、ノアにとって、その塔は未知の山嶺だったに違いない。
一日目は、ただ遠巻きに眺めるだけ。
二日目は、慎重に匂いを嗅いで、やはり諦めた。
そして三日目。
彼は恐る恐る、けれど確かに第一歩を踏み出した。ワンルーム育ちで「高さ」を知らなかった彼が、震える足で上を目指している。その姿を見て、私は確信した。
始まりは、いつだってこの不格好な一歩なのだ。
摩天楼の頂上で、幸せを噛み締める

FXの勉強も、百歳現役への道のりも、あるいは口をきかない息子への全肯定も。
諦めない心さえあれば、リビングの摩天楼の頂上は、決して遠くはない。
今夜もノアは、タワーの一番高い場所で、誇らしげに丸まっている。
その寝息を聴きながら、私は少しだけ高い位置にある「幸せ」を噛み締めている。
余談ですが、1か月以上経つ今も、ノアは宇宙船には入りません。怖いんだね、無理しなくていいよ
今回購入したキャットタワー
楽天市場で購入しました。
ぴろはっぴ、ラバーウッド。
ラバーウッド、3本柱、画像を見て想像を膨らまして悩みに悩み。

天井の高さと、置く場所の幅を、何度も確認してポチっと。

ほんとに買って良かったです。
ノアくんは少しどんくさいけど、登れるようになりました
どすん、どすん、と登っていきます。
宇宙船に入った!けれど...
ある日突然、宇宙船に入りました。びっくりした。
YouTubeです。ぜひご覧になってください。
感激。感動。涙。
...
でも、この日以降、一度も宇宙船に入っているところを見ていない。
冬だから宇宙船は寒いのかしら?
ノアちゃん、またいつか、驚かせてね。ありがとう♪
ぴろはっぴさん、素敵なキャットタワーをありがとう♪
<ありがとうございます フクヒロ・ユキ>
